基本稽古について

基本稽古の大切さについては、私が入門当初から師範より言われてきました。大山総裁の『空手の命は組手にあり、組手の命は基本にあり』という言葉を。

私自身も空手を習うに当たり、どの稽古も手を抜かないでやらなくては意味がないと思っていたので、最初からとにかく全て全力でやっていました。

14歳で入門しましたが、若さから良い意味で力を抜くという事も出来ないので、最初の正拳突き20本で吐きそうになっていたのを今でも覚えています。

最初の頃は、基本稽古を全て全力でやって吐きそうにならないが目標でした。

それが出来る様になってからは、技のキレやスタミナなどが少し付いてきたかな?と自覚出来る様になってきました。

基本稽古も師範代などに、この立ち方、この技はどういう意味ですか?どこを打つんですか?など、質問を沢山しました。

色々な事を少しずつ理解していき、基本稽古も少しずつ自信を持って出来るようになりました。

そんな時、道場の先輩(以前のブログで柔軟のやり方を教えて頂いた方)に基本稽古をやってみせてと言われ、目の前でやってみました。

すると、姿勢を直され、足の何処に体重を乗せるのか、内転筋に力を入れて、引き手を最大限に引いて、呼吸は鋭く吐いて、などなど、沢山の所を直してもらいました。

今まで出来ていたつもりが全て浅い意識の中でやっていた事に気付かされました。

それらを意識してやると、また正拳中段突きだけで、へとへとになりなりました。

先輩曰く、その基本で意識した事が、組手にも生きる、フィードバックされると。

それから、基本稽古の全てを意識してやる日々が続き、今も継続しています。

基本稽古はほぼ、毎回やります。

その中で色々な気付きがあり、今なお進化しています。

基本稽古はいらないと言う人もたまにいますが、私にはとても必要でした。

もちろん、基本稽古を重視しなくても強い人はいます。格闘技のセンスや身体能力の高い人の一部には基本稽古は必要無いという人もいるとは思います。

ですが、空手や格闘技の全くの初心者や、私の様に直感だけよりもガイドラインが欲しい人、突く事や蹴る事などの免疫がない女性、深く空手を追求したい人には必要だと思います。

何百年も続いてきた型や基本の動きを紐解いていく事に空手の楽しさやロマンもあると思いますし、それが空手だと思います。

 

そんな感じで、基本稽古を大切だと思う私の考えを書いてみました。